田中真紀子の長女記事で出版差し止めを受けた文藝春秋の声明文
http://202.32.189.64/seimei/index.htm

声明文

定期刊行雑誌の事前の販売差し止めは、当該記事のみならず掲載記事すべてにかかわる表現の自由の圧殺にほかならない。とくに今回の仮処分決定は、「プライバシーの侵害」という言葉を、その具体的な内容の開示を封じることによって逆に肥大化、独り歩きさせ、もって雑誌ジャーナリズムヘの評価を不当におとしめるものであった。これは異常な事態である。この4日間を振りかえるとき、あらためてその経緯に慄然とする。これに対して当社は、記事内容に比して決定があまりに均衡を欠き今後に及ぼす影響が甚大であること、またなにより事前の販売差し止めを例外中の例外とした最高裁判例に明らかに反することを再三主張してきたが、またしても一方的な判断が下されたことに怒りを禁じ得ない。当社としては、今回の決定が前例として定着し、事実上の検閲の常態化に道をひらき、国民の知る権利を奪う結果に至ることを憂慮して、高等裁判所の判断を仰ぎたい。

平成16年3月19日 (株)文藝春秋