ギョウザのこと

食の安全は誰が保証すべきかという問題がある。

国家が規制を厳しくして危険な食品を市場に出さないようにするべきなのか、生産者や流通業者などの企業側が安全を保証しその安全をも含めたサービスを展開するのが正しいのか、はたまた、個々の消費者が所謂「自己責任」において安全を確保するのが正しいのか。

俺は国家が最低限の安全を保証する仕組みを作るべきだと思う。現に今の行政はそうするべきだと考えているだろう。国が法を整え、行政により指導監督を行う。企業は遵法を徹底する。消費者は基本的に市場に流通している食品は安全だと思い買うことが出来る。これが理想だ。国が考えている安全水準が低いと思うのならそこから先は一人一人が考え、さらなる安全を選び取れば良い。

んで、今回の事件で誹られるべきは何処か。消費者の責任は一応、度外視しておく。俺は国家の責任と企業の責任が等分かなと思う。国家の果たすべき役割は多分、日本より食品安全に関するモラルが低いと考えられる他国からの輸入に対する安全策を充分にとってこなかったこと。企業の責任は言うまでもなく結果的に消費者の安全を損ねてしまったことだ。

今回の事件からどうアクションを起こすかと言うことに関して。
食品の安全が自己責任に委ねられるべきと考えるのなら、中国の製品を食わないとかの防御策になるのだろう。けど、そういう世の中は食べ物として売っている物が食べても良いかどうかイチイチ判断しなければならないと言う危険な世界だ。俺はそんな場所に住みたくない。だったら、国家と企業が頑張ってくれ。

国家が厳しく指導して食材に関するトレーサビリティも含め、輸入、販売する業者がその安全管理に厳しく立ち入らなければならない仕組み作りを行うか。或いは民間企業でも良いから安全規格を作る。今で言えばISO22000って規格がある。多分、殆どみんな知らないのではないか。そういう規格をメジャー化してその規格に適合しない商品を市場から閉め出すという方法も考えられる。(ただし、俺はISOの手法の有効性をあまり信じていない)

ということで、中国の物はもう食うな、みたいなヒステリックな反応は何も生み出さないのだよ、と主張しておきたい。

その一方で世の中の趨勢としては「自己責任」とやらに収斂しつつあるのだという潮流も感じる。それは否定出来ない。