機械が補完する肉体とか頭脳とか

今度のGPSは一味違う〜auEZナビウォーク」を試す
http://www.zdnet.co.jp/mobile/0310/16/n_naviwalk.html

技術というのは結構つい最近まで身体性のみを補完していた。歩く代わりに自動車を使ったりとか扉が自動で開いたりとかエスカレーターで階段を登ったりとか。歩く代わりにセグウェイつかったりってのも一例だ。

勿論、コンピュータとかITとかは脳を補完する。しかしコミュニケーションを主体とする使い方だと脳を補完されたというより自分の入出力装置としての身体が延長されたって感覚に近い。仕事でコンピュータを使っていても仕事の道具って割り切るから自分の脳が補完されているというイメージには遠い。

初めて脳が補完されたと実感できたのは俺にとってはGPSでは無いかと思う。車を運転するときは常に空間認識を行う必要がある。どのレーンを選ぶとか次の信号は青だがもうすぐ赤になりそうだとかこの車、ノロイからぶち抜いて先に行こうかとかそういう近視眼的な空間認識は勿論必要だ。けど大まかな意味での空間は殆ど意識しなくても目的地に到達することが出来る。ぼーっとしてても事が足りる。ある一部の脳味噌を使わなくても事足りる。これは俺の脳味噌が補完されたことに他ならない。

前から予想していたし欲しかったのだがついに自律計測のGPS付き携帯が発売されたようだ。車で運転するよりそのニーズは確かに低いかも知れないけど自分の傍らで何処に行こうとしているかを常にナビゲートしてくれるという存在は確実にある部分の脳を補完する存在だろう。肉体と時間を無視すれば意識としての「何処でもドア」が完成したと云っては大袈裟過ぎか(笑)。

自律計測のナビゲーションに対してはもう一つの可能性(危険性)を感じる。前にも少し触れたけど。

デジタルコミュニケーションは誰でも良い誰かを繋がることを可能にした。そして誰でも良い誰かとフィジカルにコンタクトする出会い系が色々な意味で問題になっている。今どこにいるかという情報をリアルタイムで通信デバイスが握るというのは容易に「出会い」を実現させるための強力なツールになり得る。BREWという柔軟性の高いシステムを利用して特定のサーバーに依存せずにp2p的な、しかも位置情報を勘案した出会い系とか出来たなら。今や出会い系は規制されつつある存在だがさらにアナーキーな状況を招きかねない。